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健康保険法改正について

「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が
第204回国会で可決・成立し、6月11日に公布されました。

この改正は、現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代という
これまでの社会保障の構造を見直し、全ての世代で広く安心を支えていく「全世代対応型の
社会保障制度」を構築するために行われます。
改正点は幾つかありますが、主に従業員の皆様の手続きで必要になるであろう2点を
下記にお伝えします。

・傷病手当金の支給期間の通算化について(令和4年1月1日から施行)
<傷病手当金とは>
傷病手当金は、被保険者が業務外の事由による療養のため労務に服することができず
休業するときに、労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から
労務に服することができない期間、手当金が支給される制度です。

傷病手当金の支給期間は、支給開始日から起算して1年6ヶ月です。
これは1年6ヶ月分支給されるということではなく、1年6ヶ月の間に一時的に復職して
就労した場合に、この就労した期間も1年6ヶ月に算入されます。
なお支給開始後、1年6ヶ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても
傷病手当金は支給されません。

<法改正の概要>
今回の改正は、出勤に伴い不支給となった期間がある場合に、その分の期間を延長して
支給が受けられるように、「支給期間」の通算化を行うというものです。
(支給期間を通算して、1年6ヶ月の期間まで支給されます。)
がん治療などで入退院を繰り返すなど、長期間にわたり療養のため休暇を取りながら
働くケースがあることから、法改正になりました。

・育児休業中の保険料の免除要件の見直し(令和4年10月1日から施行)
<育児休業期間中の社会保険料の免除とは>
育児休業期間中の社会保険料免除は、月末時点で育児休業を取得している場合に
当月の社会保険料が免除されるというものです。
そのため、短期間の育児休業の場合に、月末をまたいでいるかどうかで
保険料が免除されるか否かが決まるという点が問題視されていました。
また賞与月の月末時点で育児休業を取っている場合には、賞与の社会保険料が
免除されることから、賞与月に育児休業の取得が多いという指摘が出ていました。

<法改正の概要>
育児休業開始日の属する月については、その月の末日が育児休業期間中である場合に
加えて、その月中に2週間以上育児休業を取得した場合にも、社会保険料を免除する
ことになりました。
賞与の保険料免除については、育児休業期間が1ヶ月を超える場合に限り
保険料免除が認められることになりました。

いずれも2022年からの改正ですが、従業員の方々に手続きについて説明する時に
これまでとはルールが変わりますので、人事の皆様には知っておいていただきたい
ポイントです。
上記2点以外の改正点については、厚生労働省の下記資料をご参考になさってください。

「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の概要」
000733601.pdf (mhlw.go.jp)

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